さりげなく、あたり前のように続いている、実はものすごい地域活動。なにわの街の活動をレポートしました。

「大国町のものすごいパレードの話」(第1回2013年8月6日開催)

毎月100人が集まる「大国パレード」とは?

 

8月6日開催のなにわ区ラボ第1回目は、大国地域活動協議会会長の寺田守さんを講師にお招きして13年も続く「大国パレード」について伺った。

そもそもの発端は15年ほど前。大国地域のワンルームマンションに多数の違法風俗業者が店舗を構え、全国からたくさんの人が地域におしよせた。

 

当時の状況は「昼間っからパジャマ姿の若い女性がまちをうろうろしていて、異様な風景だった」とのこと。そのほか、順番待ちの客が出した煙草のすいがら、道路を占拠するほどの違法駐車と地域の状況は悪化するばかり。地元住民からも反対運動をしようという声が高まり、平成13年10月18日に決起集会が開かれ、大国パレードが始まった。


「集会には800人が集まった。町会長を通じて告知もしたが、集めたというよりも自然と集まってきた。ものすごいパワーだった」。浪速警察署にも対策本部ができ、警察と地域が協力して業者へと立ち向かうことに。

 半年ほどで大半の業者は撤退し、1年後には大国パレードも解散しようという声も挙がった。しかし当時の警察署長に「解散したら業者はまた戻ってくる」と言われたことがきっかけで、13年間続いている。

マンションのドアの前、警察と業者の怒号の中で、立ち退きを迫る文書を読み上げた、という寺田さん。まるでハードボイルド映画!

風俗追放から子ども見守り活動へ

現在の大国パレードは、「安心安全のまちづくり」というテーマを掲げ、月に1度、地域の住民が顔を合わせる場となっている。地域活動に参加する住民が増えたことが、毎日の子ども見守り活動や子育てサロンの運営にもつながった。


「寺田会長のようなリーダーがいなければできないのでは」という会場の声に対しては「自分が立ち上がらなくても、きっと誰かが立ち上がっていた」とのこと。


地域によって課題は異なるものの、地域住民が顔を合わせる場を持ち、全員が地域に対して関心を持つことが住みやすい地域をつくる秘訣かもしれない。

現在の大国パレードの様子。「よりよいまちをつくろう!」等のかけ声があがる。