◎きっかけ
3月は卒業式や終業式、4月は入学式、始業式と学校行事が続くシーズン。この春、浪速区では、3つの小学校が大きな節目を迎えます。区内にある3校が統合して、新しく浪速小学校(なみはやしょうがっこう)が開校するのです。
登下校の見守り活動など、地域の小学生たちとも深くかかわりのある地活協。地域の会議でも学校のことが議題にあがり、まちづくりセンターでも「学校が新しくなって校歌も変わるらしいで。そういや、自分の小学校の校歌おぼえてる?」、「私、今でも歌えるで」とか、みんなでしゃべっておりました。そのうち、「校歌の歌詞って地域の風景とか地名とか色々特徴あるから調べてみたら面白いんちゃう?試しにちょっと集めてみようや」と軽いノリで校歌の収集に乗り出したのです。
◎校歌が見つからない パート1
まずとりかかったのはインターネットで各小学校のホームページの検索。結果、校歌が掲載されていたのは13校(※)中で唯一、大国小学校だけでした。(※2017年3月時点で閉校している学校も含みます)
「図書館とかにアルバムとか保管されてると思うわ」というヒントを頼りに、次に試みたのは、大阪市立図書館サイトでの蔵書検索。アルバムはありませんでしたが、記念誌を発見。多くは中央図書館保管だったため、以前にもお世話になった浪速図書館の館長に相談すると、取り寄せで2~3日中には届くとのこと。早速依頼し、翌週には蔵書到着の連絡がきました。図書館に行くと、館長が記念誌を手に出てきて、「色々調べてみたんだけれど、全部の校歌は揃わなくて・・・」と。校歌の掲載ページに付箋でしるしまでつけてくださって至れり尽くせりでした。
この時点で、難波小学校(昭和60年3月閉校)、日吉小学校、栄小学校、大国小学校、敷津小学校、日東小学校、日本橋小学校の7校分が揃いました。
◎校歌が見つからない パート2
残り半分の入手にあたり、これまでに接点があった校長先生に相談しました。まずあたったのは塩草立葉小学校校長。昨年のなにわ区ラボ「ママと防災」を小学校でも告知したいと、校長自ら直接連絡してきてくださったのです。経緯を説明すると、「そういうことでしたら」と資料をファックスしてくれました。次に、連絡したのは難波元町小学校校長。まちづくりセンターの誰かが交換した名刺を頼りに、電話をかけました。「今の校歌はすぐ渡せるけど、元町小学校のはあったかな~。ま、いっぺん調べてみて、あったら一緒にファックスさせてもらいます」と快く引き受けてくださいました。
◎校歌が見つからない パート3
残り3校分となり、いよいよ地域の方に相談です。1人目は立葉地活協会長。
「もと立葉小学校の校歌歌詞を探してるんですけど、会長、何か分かるもの持ってませんか」
「何か、って?」
「卒業アルバムとか」
「アルバムやったらあるから、見てみるわ」とやり取りし、入手できました。
2人目は浪速区PTA協議会会長。恵美小学校の校歌を探していることを伝えると、「OKです。早速送ります」と資料を提供していただきました。
3人目は塩草地域の元ネットワークサポーターさん。メールでのやり取りでしたが、「なにかあったらいつでも言ってくださいね」と、塩草小学校の卒業アルバムから校歌の掲載ページの写真を撮って送ってくださいました。
◎校歌について
そろった校歌を見ていくと、浪速区を象徴する地形が織り交ぜられており、なかでも特に「大大阪」、「なにわづ」、「木津」の3つの言葉が使われています。大正後期から昭和初期にかけて商業の中心地として繁栄していた大大阪時代のことを引用して、子どもたちの成長と若者への期待をこめているのでしょうか。また、かつてこの場所が海だった頃の「浪速津、難波津(なにわづ)」や「木津(きづ)」の地名は、浪速区が長い歴史と伝統をもったまちであるという人々の地域への誇りと愛着がうかがえます。
◎まとめ
今回は、校歌収集までの道のりにスポットをあてました。今後、校歌の内容について掘り下げて紹介していきますので、乞うご期待。