最終回 難波ねぎよ永遠に

(前回までのあらすじ)浪速区名産「難波ねぎ」は現在も伝統野菜として生産。河内長野産のそれを食べると美味。いざ、河内長野市へ。と思っていた矢先…。

 

 

 「大阪市内に今も難波ねぎ畑がある」と聞き住吉区へ。上田隆祥さん(77)は市内では数少ない生産者で、父の代からの品種を作り続けている。

 

「柔らかい葉はすぐ倒れるので、出荷しにくいんですわ。だから誰も作らんようになってしまった」という上田さんも一時は自家用のみに作っていたが、昔ながらの甘みやシャキシャキした食感に、漬け物店や農学博士、料理人らが注目。彼らに伝統の味を届けるため生産を拡大することとなった。

 

「かもなんば」には上田さんのねぎしか使わないという老舗そば店もあるそう。大阪難波の百貨店の野菜売場にも並ぶが、即売り切れの人気食材なんだとか。「しんどいのでもう今年でやめよと毎年思ってるんやけどね」と言う上田さんは、今日もファンからのラブコールにこたえて畑でねぎをひくのだった。(終)

 

刻んでポンズとかつおぶしをかけるのが上田さんおすすめの食べ方。